不況映画業界が「深夜アニメ」に目をつける理由 [不況映画業界が「深夜アニメ」に目をつける理由]

不況映画業界が「深夜アニメ」に目をつける理由


週プレNEWS 10月12日(水)14時40分配信


ついに「けいおん!」が映画化。今、深夜アニメが続々と劇場公開される理由とは?

 きたる12月3日、深夜アニメから飛び出した『映画けいおん!』が劇場公開される。

 すでに昨年から、『劇場版涼宮ハルヒの消失』や『劇場版マクロスF 恋離飛翼~サヨナラノツバサ~』が好成

績を挙げたことで、深夜アニメの映画化が注目を浴びていた。

「もちろん、一般の大作映画やジブリアニメのように100億円規模の興収を叩き出す作品に比べ、『ハルヒ』や

『マクロス』でさえ10億円以下の規模ですから、深夜アニメ勢の影響力は業界にとって大きくはありません。

しかし、小規模のスクリーンが乱立するこのシネコン時代において、数は少なくても確実な動員が見込め、かつ

長く足を運んでくれる熱心なファンの多い深夜アニメ発の映画は、劇場にとっても使い勝手のいい物件なんです」(大手映画配給会社の営業担当)

 また、制作サイドにとっても、たとえ大きな興行収入が見込めないにせよ、映画化は立派なビジネスになっている。

「パッケージ(DVDやBD)に儲けの基本を置くメーカーにとっても、劇場にかけること自体が魅力的なプロモーションになり得ます。

テレビだと、放送局も首都圏に限られることが多い上に、本質的にその時限りしか作品に触れる機会がない。でも、映画にすると全国に持っていける上に、うまくいけば長期間にわたって流してもらえる。

そこで微々たるお金を稼ぎながらファンを増やして、最終的にパッケージ販売につなげるのが理想ですね」(大手アニメメーカーの配給担当)

 ただし、映画は“10本中7、8本は赤字”というハイリスクな商売だけに、深夜アニメといえどもコケた作品は数知れない。いったいどんな作品ならファンに受け入れられるのか?

「まず、“それを求めるお客の顔が見えているか”が大事。『ハルヒ』を作った京都アニメーションブランドや、『マクロス』の歴史への信頼があってこそ、人はわざわざ劇場へ足を運ぶ。

テレビで1クール流して一瞬で消費されるような萌えアニメじゃ、劇場に持っていってもダメでしょう」(ライター・多根清史氏)

 たとえ熱心なファンがいるからといって、なんでも劇場にかければいいのではなく、マニア向けのジャンルだからこそ、“よくわかった”上での確固たる戦略が必要なようだ。

(取材・文/西中賢治)

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